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妹「お兄ちゃん拾った」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 22:17:24.55 ID:KU0EOIiX0
妹「お母さーん」
母「ん、なぁに?」
妹「お兄ちゃん拾ったんだけど…」
母「ああ、お兄ちゃんね。見せてみて」
妹「……どう?」
母「うん、毛並みも良いし、清潔そうだし、良いお兄ちゃんね」
妹「じゃあっ」
母「ええ、良いわよ。この子があなたのお兄ちゃんよ」
妹「やったぁっ!」





10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 22:25:12.05 ID:KU0EOIiX0
妹「ふんふふんふふーん♪」
ガチャ
父「ただいま」
母「おかえり。今日は早かったわね」
妹「パパ、おかえりなさい!」
父「ただいま。妹、今日は何だか機嫌が良いな。何か良いことでもあったのかい?」
妹「うんっ!あのね、今日ね、お兄ちゃんを拾ったの!」
父「おお、お兄ちゃんか。そうか、妹ももうそういうお年頃かぁ」
母「私先に見たけど、なかなかのお兄ちゃんよ」
妹「今連れてくるね!」
パタパタ…
父「お兄ちゃんか…懐かしいな。」
母「えぇ。私も子供の頃夢中になってたわ。…今はあ・な・たに夢中だけど」
父「ふふっ、嬉しいことを言ってくれるなぁ。」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 22:32:45.48 ID:KU0EOIiX0
パタパタ…ドタドタ…
妹「ほら、これが私のお兄ちゃん!どう、パパ?」
父「良いお兄ちゃんだね。瞳が綺麗だ。健康そうだしな」
妹「やっぱりパパもそう思う?」
父「ああ、妹の目利きは世界一だよ」
妹「わぁい!!ママぁ、パパに褒められた!」
母「よかったわね。ほら見てごらん、お兄ちゃんも嬉しそうよ」
妹「あっ、本当だぁっ!」
母「妹が喜ぶと、お兄ちゃんも喜ぶのよ。」
妹「だったら、楽しみも二倍だねっ!やったぁ!」
母・父「ふふふふふ…」




24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 22:45:16.31 ID:KU0EOIiX0
母「ほらほら、もう寝る時間よ。早く歯を磨きなさい」
妹「はーい。お兄ちゃんも一緒に歯磨きしよ?」
パタパタ…シャカシャカ…
妹「ねぇママ、今日はお兄ちゃんと一緒に寝ても良い?」
母「お兄ちゃんもいいって言ってるし、良いわよ」
妹「やったぁ!」
母「お兄ちゃんの眠る邪魔をしないようにね」
妹「はぁいっ!」
パタパタ…

妹「これお兄ちゃんのためのベッド!このために準備してたの!」
妹「早く寝てみて!どう?ふかふかでしょ?」
妹「お兄ちゃん気持ちよさそう。えいっ!」
バフッ
妹「キャハハハハ…あれ、お兄ちゃん痛かった?…ごめんなさい」
ナデナデ
妹「…許してくれるの?お兄ちゃん大好き!私、お兄ちゃんを選んでよかった!」




26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2008/02/18(月) 22:47:04.64 ID:TZNIX8Ga0
かまわん続けろ



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 22:48:24.57 ID:KU0EOIiX0
妹「…はしゃいでたら眠くなって来ちゃった」
妹「お兄ちゃん、ぎゅってして」
ギュッ…
妹「お兄ちゃん…石けんの匂いがする…」
妹「とっ…ても…いい…匂…ぃ」
スヤスヤ…スヤスヤ…




32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 22:59:47.23 ID:KU0EOIiX0
チュンチュン…
妹「ん…むにゃむにゃ…お兄ちゃん...もっと.ちょうだい…」
ガチャ
母「妹、お兄ちゃん、朝よ」
シャッ
妹「むにゃむにゃ…眩しいよママ…」
母「はいはい妹もお兄ちゃんも、早く洗面所で顔洗ってらっしゃい」
妹「…はぁぃ。お兄ちゃん、洗面所行こ」
キュッ バシャバシャ キュッ
妹「おはようぅ」
父「おはよう。朝食は妹の好きなウィンナーと卵焼きだぞ」
妹「わぁいゎぁぁぁあああああ…」
父「おっ、お兄ちゃんと一緒に大きなあくびをしたな」
妹「お兄ちゃんも一緒だったの?」
父「おう。妹に負けないくらい大きなあくびだ。気が合うな」
妹「当然!だってわたしのお兄ちゃんだもん」




34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 23:04:15.59 ID:KU0EOIiX0
母「あなた、そろそろ時間よ」
父「お、そうだな」
サッ
父「コーヒーごちそうさま」
母「どういたしまして」
父「じゃあ行ってくる」
妹「いってらっしゃい!」
父「ああ、妹も気を付けて学校に行くんだぞ」
妹「うんっ!」
父「…おお、そうだった。お兄ちゃんもな」
パタパタ コツコツ チュッ ガチャ





36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 23:11:11.42 ID:KU0EOIiX0
母「妹、お兄ちゃん、そろそろあなた達も時間よ」
妹「はぁい!」
パタパタ…ガサガサ…
妹「じゃあママ、行ってきまぁす!」
母「はい、行ってらっしゃい。お兄ちゃんも行ってらっしゃい」
妹「ほら、お兄ちゃん早く早く!急がないと置いていくよ!」
パタパタ…
母「ふふ…昨日兄弟になったばっかりとは思えないわ」




39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 23:25:08.50 ID:KU0EOIiX0
妹「あそこの角まで競走っ!よーいどん!」
パタパタパタパタ…
妹「はぁ…私の、はぁ…はぁ…勝ちぃっ!」
妹「罰ゲームとして、わたしはお兄ちゃんに一回、何でも命令していいことに決定!」
妹「あ、お兄ちゃん困ってる困ってる♪あははっ」
………
妹「あっカズちゃんだ。じゃあね、お兄ちゃん」
パタパタ…
妹「カズちゃんおはよう!」
カ「おはよう、妹ちゃん!ねぇねぇ、一緒に歩いてた男の人、もしかして…」
妹「うん!私のお兄ちゃん!昨日拾ったの!」
カ「わぁ、おめでとう!これで妹ちゃんも一緒だね!」






49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[>>42 姉飼いいよね]:2008/02/18(月) 23:37:57.60 ID:KU0EOIiX0
ガラガラ…

ワイワイガヤガヤ…

ト「妹ちゃん、カズちゃん、おはよう!」
妹・カ「おはよう!」
妹「ねえねえトモちゃん、私ね、昨日ね、お兄ちゃん拾ったの!」
ト「え、本当!?どんな人どんな人?」
カ「背のおっきい人だったよ」
ト「カズちゃん見たの?いいなぁ…」
妹「それでね、あのね、昨日はお兄ちゃんと一緒に寝たの!」
カ「ええっ!いいないいな」
ト「私、そういえばお兄ちゃんと一緒に寝たことないなぁ…」
妹「石けんの香りがして、気持ちよくって…気付いたら朝になってたの」
ト「いいなぁ…」
カ「トモちゃんもお兄ちゃんにお願いすればいいじゃん」
ト「でも、うちお父さんが『絶対ダメだっ!』て…」
妹「何でダメなんだろうね?」
カ「一緒に寝るだけなのに」
ト「うん、何でだろう」





53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/18(月) 23:51:46.36 ID:KU0EOIiX0
キンコーンカンコーン

先生さようなら、皆さんさようなら

カ「妹ちゃん、トモちゃん、一緒に帰ろっ」
妹「うん、行こう」
ト「あ、ちょっと待って…よし、行こ」

テクテク…

ト「今日ずっと考えてたんだけど、今晩もう一回お父さんに、お兄ちゃんと寝られるようにお願いしてみる!」
カ「頑張って!」
妹「応援してる!心を込めてお願いすれば、大丈夫だよ!」
ト「うん、ありがとう」
………
カ・ト「妹ちゃん、またね」
妹「うん、バイバイ」
妹「おうっちに♪かえーればっ♪お・に・い・ちゃん♪」




54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2008/02/18(月) 23:52:31.66 ID:j78eq+xX0
いいなコレ…




55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2008/02/18(月) 23:53:56.64 ID:TL23wZcz0
兄の台詞がないとなんか怖い…





58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 00:02:30.89 ID:xpQURDw00
妹「ただいまっ!」
母「おかえりなさい」
妹「…あれママ、何かあったの?」
母「…うん、お兄ちゃんが、ちょっと、ね…」
妹「どうしたの?怪我したの?大丈夫なの?」
母「怪我はしてるけど軽い怪我だから体は大丈夫だけど、」
  「しばらくそっとしておいてあげた方がよさそうだから…」
妹「うん、分かった。しばらくお兄ちゃんのことはそっとしておく」
母「そう、いい子ね」
ギュッ
母「もうすぐご飯だから、早くランドセル置いてきなさい」
妹「はい」





60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 00:10:35.56 ID:xpQURDw00
妹「ごちそうさま」
カチャカチャ
パタパタ
妹「ママ」
母「何?」
妹「お兄ちゃん、大丈夫かな」
母「妹は優しい子ね。大丈夫。妹のお兄ちゃんなら、立ち直れるわ」
妹「…よく分かんない、ママ」
母「その内分かるわ。今急いで知る必要もないし、知らなくて良いのよ」
母「…そうね、妹が大好きなトマトも、早すぎても苦いし、遅すぎても腐って食べられなくなっちゃうようなものよ」
妹「……」
母「今日は早く宿題を終わらせて、早く寝なさい」
妹「はぁい」




62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 00:14:47.58 ID:xpQURDw00
……・
妹「……」
妹『寝る前に一声だけ、一声だけだから大丈夫』
パタパタ…
妹「…お兄ちゃん、おやすみ」

シン――――

妹「ぉゃすみ…」
パタパタ…






67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 00:38:54.05 ID:xpQURDw00
妹「いってきます…」
母「ほら、元気出さないと私に似た可愛い顔が台無しよ。いってらっしゃい」
………
妹「おはよう…」
カ・ト「おはよう」
カ「どうしたの?元気ないね」
妹「うん…お兄ちゃんが元気ないの」
カ「いきなりだね」
ト「原因は何?」
妹「分かんない。ママはそっとしておけって…」
ト「ふぅん…」
妹「お兄ちゃん昨日からずっと部屋に引きこもってて…とっても心配」
ト「困ったね…」
カ「やっぱりここは、妹ちゃんが元気づけてあげるのがいいよ、うん!」
妹「でもママは…」
カ「妹ちゃんのママは妹ちゃんのママ。ともかく何かやってみなきゃだよ!」
ト「カズちゃんらしいね。私だったら失敗しちゃうのが怖くて、何も出来ないよ」
妹「うーん…」




68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[>>66 遅筆御免]:2008/02/19(火) 00:47:01.35 ID:xpQURDw00
キンコンカンコーン
………
妹「ただいま」
母「おかえりなさい」
妹「ママ、お兄ちゃんは?」
母「…あの年頃の子は、色々と難しいのよ。じっくり考えさせてあげましょう」
妹「……」
母「ハイハイ、早くランドセル置いてきて。今日の晩ご飯は、お兄ちゃんのリクエストで肉じゃがよ」
………





71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 00:57:52.41 ID:xpQURDw00
パタパタ…

妹『…やっぱりママの言うとおりにした方が良いのかな?』
妹『…でも…でもやっぱりわたしはお兄ちゃんが心配だし、何かしてあげたいし…』

妹「お兄ちゃ…ん?」

――――

妹「あ、あのね、お兄ちゃんが元気じゃないと、わたしも元気になれないからね、うんとね、」
妹「わ、わたしはいつでも相談に乗るし、だからね、何かあったら私の部屋に来てね」

――――

妹『言っちゃった…間違ってたら、どうしよう…』
パタパタ…




72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 01:00:04.18 ID:7ZdzJDUyO
きたきたふらぐ




73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 01:00:53.82 ID:6JxHmGK10
何?鬱系鬼畜系なの?




74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 01:04:26.21 ID:xpQURDw00
妹「おやすみ」
母「おやすみなさい」
ガチャ パタン
妹『今日は寝ないぞ。お兄ちゃんが来るかもしれないし』
妹『数を数えることに集中していれば、眠くならない…は…ず』
………
ガチャ バタン
妹「むにゃ…」
妹『しまった…眠っちゃった…』
妹『…誰?』
妹「――――!お兄ちゃん…!」




77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 01:13:27.58 ID:xpQURDw00
来てしまった
「妹」に頼ってしまう自分の情けなさに反吐が出る。後涙も
こんな遅くのことだから、眠っている「妹」をたたき起こす羽目
になるのは目に見えていたはずなのに
それでも僕はここに来てしまった
「妹」が寝ぼけ眼を急いで擦っている。やはり眠っていたようだ
そして僕を目にとめ、はっと息を呑み、
「お兄ちゃん」
と一言発する
僕はいつものように情けない薄笑いを浮かべ、
「ごめん、起こしちゃったね」
と謝った。どうも言葉と表情を合わせられない
いつも作り続けてきた薄笑いが、僕の本当の笑顔になってしまったようだ




80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 01:17:47.10 ID:4Gvu9OG4O
お兄ちゃんがしゃべった!




82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 01:30:23.77 ID:xpQURDw00
僕の声を聞くと、「妹」は急いでベッドから出て、電気を付けた
一瞬で明るくなった部屋に、少し目がくらんだ
「ホント、こんな遅くにゴメン」
もう一度謝る
「い、いいの。わたし、本当は起きてるつもりだったんだけど…」
焦る「妹」が可愛らしい。
僕は微笑むつもりで薄笑いをゆがめる。
だが思惑とは裏腹に、つくづく醜悪な顔になっているだろう。
自己嫌悪を深めつつ、僕はとりあえず座ることにした。
「座って落ち着いて話をしたいんだけど…」
「椅子、あるから、す、座って」
そう言って、妹は急いで学習机の椅子を引っ張り出してきた
「ありがとう」
僕が素直に座ると、妹はホッとした様子でベッドに腰掛ける。





84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[やべぇ、所々妹に「」忘れてる]:2008/02/19(火) 01:41:48.92 ID:xpQURDw00
ちょこんと座る妹を見て、僕は「妹」の可愛さを再確認する。
「妹」を見つめる僕に、「妹」がはにかみ返す。
僕は、本題にはいることにした。
「あのさ」
問いかける僕に、「妹」は身構える。
出来るだけ柔らかい言い方を心がけて、続ける。
「いつか話すつもりだったんだけどもね」
「妹」の反応を伺う。「妹」は頷いた。
なかなか聞き上手だ。僕も頷きかえす。
「僕の過去について。そして今と、これからについて。
出来るだけ難しくならないように話すけど、
よく分からない場所があったら言って。そうしないと
お互い後で困ることになるから」
ここで再び「妹」の反応を見る。
頷き。その幼い顔は真剣だ。
そして、僕は語り出す。





90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 01:53:54.96 ID:xpQURDw00
僕はやや裕福でありながら、ごく一般的な家庭に、長男として生まれた。
両親は外面だけいい、見栄っ張りの、薄っぺらい人間だった
そのくせ才能だけは豊富に持ち合わせていて、外面にぴったりの職に就いていた
僕を、外面の自分たちに合った人間にしようと、両親は必死に教育を施した
だが、どれだけ資産と時間をかけても、音楽もスポーツも勉強も身に付かない僕に、
両親は失望し、落胆し、怒りすら覚えるほどだった
折檻こそ無いものの、僕に愛情が注がれることもなく、その影響で幼い僕は疲弊していった





93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 02:07:16.08 ID:xpQURDw00
そんな家庭で暮らしていたある日、僕に「妹」が出来た
小学校にはいるか入らないかぐらいの頃だったと思うが、休日に二人で出かけた両親が
帰ってくると、僕より2、3才小さいと思われる女の子を連れてきた
「あなたの妹よ」
その日からそのよちよち歩きの女の子は、僕の「妹」になった
僕の「妹」は、血統書付きのエリートだった
出来る限り自然に近い形を保ちながら、遺伝子の細部に人工的な加工を加えた、
最高級品の「妹」だった。見栄っ張りの両親にぴったりだ
「妹」はすくすくと育ち、ありとあらゆる分野で、No.1ではないものの、高い実力を発揮
するようになった
そんなスーパーウーマンたる「妹」が、僕の家のヒロインとなるのに時間はかからなかった
時間と金をかければかけるだけ伸びる「妹」に、両親は夢中になった





96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 02:17:59.96 ID:xpQURDw00
その内僕は、家庭内で廃棄物と化した
「二人の自作の愛の形」が、既製品の「作られた愛の形」に、美しさで勝てるはずもなかった
僕の両親が求めたのは、自分たちの正の側面だけを受け継いだ分身だ
負の側面だけが与えられた僕が、必要とされるはずもなかった
毎日毎日僕は、両親の嫌悪と落胆と失望と怒りとが入り交じった目線に晒され、
両親の影響で薄っぺらく育った妹に肉体的にも精神的にも虐げられ、限界が近づいていた
そんなある日…小学6年生の事だ





100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 02:28:41.29 ID:xpQURDw00
家で圧迫に晒され続けた僕は、学校でもいじめの
標的になりうるオーラを持っていたらしい
髪を染めた、いかにもチャラい男子と、その取り巻きにいじめられていた
名前は覚えていない。僕は、誰かの名前を覚える必要はなかった
その日は便器に顔を押しつけられ、その姿を携帯で写真に撮られていたんだと思う
よく覚えていない
ただはっきり覚えているのは、いじめられている最中に
『逃げる』
と言う文字が頭にはっきりと浮かんだことだけだ
その文字と意味は、誰もいない家(両親と妹は高級フレンチを食べに行っていた)
に帰る僕の心で、悲鳴を上げ続けた




103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[>>101 どうも。頑張る]:2008/02/19(火) 02:40:10.35 ID:xpQURDw00
僕は家につくと、「妹」のための貯金が入っている金庫を開け、中の金をすべて
旅行ケースに入れ、外に飛び出した
スイス銀行以外の銀行を信用しない両親が、結局盗みにあうとは皮肉な結果だ
四苦八苦しながら重い旅行ケースを引きずって電車に乗り、めちゃくちゃに乗り継いで…
「僕はこの街に着いた」




104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 02:44:17.59 ID:xp4SGhrZ0
支援




106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 02:52:02.34 ID:xpQURDw00
この街に着いてからは、それこそ必死だった
住む場所を探し、必死に頼み込んで金をかなりの積んでボロ家で寝泊まりさせて貰い、
持ってきた金を削りつつ最低限度の生活をして、日々を過ごした
着の身着のままだったから、成長する体に合わせて服も必要だったし、
水道もガスも電気もボロ家にはなかった
今考えれば、かなり大家に足下を見られていたと思う
しかし僕は身元不明の世間を知らない少年だ。言われた分の金を積むしかなかった
そうしたジリ貧の生活だったが、あの視線と「妹」からの虐待に比べればマシだと思った




107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 03:02:36.59 ID:xpQURDw00
「……」
ここまで話して、「妹」が何か話したがっている様子だった
「どうした?質問はドンと来いだぞ」
促すと、「妹」は申し訳なさそうに話し出した
「…あのね、お兄ちゃん、なんでばれなかったの?」
「ばれる?」
「うん。お兄ちゃん、お金を持って消えたんだよね?」
「うん、そう」
「だったら、普通は警察の人とか、家族とかが探しに来るんじゃない?」
「そう。普通は、ね」
僕は一旦のびをしてから、答える。
「探しに来なかったし、探させなかったんだよ、家族が」
「えっ、でも、でも…」
戸惑う「妹」の言葉を遮って続ける
「僕の両親はそう『させない』だけのコネがあった。それだけの話だよ」
「……」
「じゃあ続き、いいかい?」
「妹」に尋ねると、うなずいた。
僕は続けた




109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 03:17:13.91 ID:xpQURDw00
そうして、僕はかろうじて生きていた
だが、そんな毎日にも終わりが来る
ボロ家の大家は、度々僕に金をせびりに来て、僕はそのたび言われるがまま
金を払い続けていた。そうしなければ生きられなかったからね
どうしてそんなに必要だったのかと思うけど、どうやらギャンブル狂いだったらしい
で、僕の手元の金が残り少なくなってきたときに、また金をせびりにきた
もう払える金はない。僕の生活費を完全に削りきることは出来ないからね
そう言うと大家は怒り出し、僕を追い出した
出て行かなければ通報すると脅してね
僕は手元に残った薄い半欠けの札束一つだけでどうこうできる訳がないことは、
経験で分かるぐらいにはなっていた。




111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 03:24:06.19 ID:xpQURDw00
だから僕は最期の贅沢として、身なりを整え、
その少ないお金で豪遊なりしてから、
後は野となれ山となれの精神で身なりを整えた
「そして、そこで君と出会った」




113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 03:34:34.83 ID:xpQURDw00
僕はぶらついているところを君に拾われ、この家のお兄ちゃんになった
僕は初めてお兄ちゃんになれたし、「妹」は本当の意味で妹になったと感じた
お兄ちゃんが初めてお兄ちゃんになれたんだ
そして僕は普通の生徒として学校に行ける
「妹」のお兄ちゃんだからだ
だから、僕は普通のお兄ちゃんとしての生涯を全うできるかもしれない、
そう初めて感じることが出来たんだ

学校に行くまでは




112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 03:27:18.06 ID:XFj4J7sHO
身なり整えすぎワロタ




115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 03:38:58.07 ID:ttVZ+xZFO
>>112
お前のレスで気がついてワロタ




120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 03:52:42.92 ID:xpQURDw00
学校自体は悪くなかった
授業の内容自体は全然分からなかったけど、
逆に頑張って理解するところまでいってやるって考えることが出来たし、
学校の雰囲気も年相応と言った感じで心地よかった
放課後、アイツに出逢ってしまった事だけが最悪だった
小学校の時の金髪
相変わらずチャラくて、調子に乗っていて…そして何より怖かった
怖かった。年少時の記憶にすぎないとしても、確実に怖かった
更に悪いことには、あっちの方でもこちらのことを覚えていた




125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 04:01:44.45 ID:xpQURDw00
廊下ですれ違いざま腕を捕まれ、
「よう、元気してたか?」
の言葉と同時に足払い。
僕はしたたかに尻を打ち付けた。
そして見上げると、あの薄ら笑いが――――
その後倉庫裏まで引きずられ、罵詈雑言を受けながら
教師への体面を取り繕う程度に軽く痛めつけられる間、
僕は自分の存在を思い出した。
そう、僕は廃棄物、無くしても困らないもの…
そう言うものなのだ
幸せを享受出来ても、誰にも幸せを返せない…
そんなお兄ちゃんなのだ




127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 04:11:37.18 ID:xpQURDw00
「そう、僕は幸せを作り出せないんだ」
そう寂しげに僕が吐き捨てて、独白は終わった
「僕には何の才能もないし、特に面白いお兄ちゃんでもない。
僕よりもっと良いお兄ちゃんが、妹にはいるはずだ。だから…」
「違う」
ぽつりと「妹」は言った
「違うもん。私が欲しいのはすごいお兄ちゃんじゃないもん」
妹の唇がわななく
「わらしがっ…ぇぐっ…ほし…っ…のは…こっの…お兄ちゃっん…ひくっ…なんだ…っもん」
妹は耐えられそうにない
大洪水が発生した




131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[>>130 いる。俺似の]:2008/02/19(火) 04:27:01.19 ID:xpQURDw00
その後は大変だった
妹の両親が色々勘違いして大激怒だわ、
誤解やら何やらを解いて事態を収拾した頃にはもう朝日が昇りかけていた
結果、一家寝不足全開で次の日を迎えることになった
「いってきます」
「いってらっしゃぁぁわぁあ」
母が大あくびで送り出す
僕と妹もあくびが止まらない
それどころか、妹は通学途中でそのまま眠り出しかねない状態だ
お互い目を覚まし合う意味でおしゃべりを続けると、妹がこんな事を言い出した
「わたし、ずぅ~~~~~~~~っっっっっっっっと前からお兄ちゃんが欲しかったの」
「何で?」




135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 04:33:43.45 ID:xpQURDw00
「あのね、うちのパパとママって仲いいでしょ?」
「うん」
「それでね、時々二人だけでラブラブなときがあるの」
「ふむふむ」
「そんなときね、わたしすっごく寂しいの」
妹を見ると、そんなときを思い出しているのか寂しげだ
「でもね、そんなときにお兄ちゃんがいれば、寂しくないの」
「確かにそうだな」
僕が妙に納得していると、妹は続ける
「でしょ?お兄ちゃんとラブラブすれば、寂しくないでしょ」
通学時間の通学路、小学生と制服の生徒が周りに
聞こえるほどの声でこの会話
勿論周りの視線が痛くなる
ついでに、僕の顔は青くなった




138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 04:46:15.37 ID:xpQURDw00
しかし、妹は構わず続ける
「だから、お兄ちゃんずぅっとわたしのお兄ちゃんでいてね。これ、命令!」
一昨日のアレが効いてることを思い出す。
妹に命令されるお兄ちゃんに、周りの空気の引き方は加速する一方だ
だがここまで来たらもういっそすがすがしいものである
「よしっあの角まで競走だ!よーいどんっ!」
「あ、待てぇ~~~!!」
周りの視線と後ろから駆けてくる妹を感じつつ、
何となく「これでいいのかもしれない」と腑に落ちた
まだ胸は張れそうにないが、それでも妹のお兄ちゃんであるとの
自信はそれなりに手に入れる事が出来たようだ
僕を抜いていく妹。そして後一歩で僕は負ける
今回の罰ゲームは何だろう?
そんな楽しみを持てるのは、お兄ちゃんの特権だろう
妹がゴールを切る

「ゴール!!」

End




139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:2008/02/19(火) 04:47:17.24 ID:Qll23ZSX0
乙!楽しませてもらった。




142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 04:51:19.66 ID:xpQURDw00
本当になんかもう後半のgdgd具合とか
酷い中こんな時間までわざわざありがとうございました
正直前半のシュール全開な感じで行きたかったりした
今度はもっと練ってきます

と言うわけで皆様お疲れ様でした
おやすみなさいノシ




143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 04:51:46.68 ID:q4e6gHc/0
おいついた





144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 04:52:04.66 ID:p8m0pCKW0
前半のシュール全開凄い良かった







146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 04:53:56.03 ID:bENwQgKB0
妹「おにいちゃん…?元気ないなぁ。
  …あ!もしかしておなかがすいてるのかな…?
  でも、この子生まれたばっかりのおにいちゃんみたいだし…。
  …やっぱり、ミルクしか飲まないのかなぁ。

  …あっ///だ、だめだよぅ…そこからおちちは出ませんよぅ…はぅぅ///」




147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2008/02/19(火) 04:54:57.58 ID:MbuQvF8k0
乙!


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2008.02.19 | | Comments(8) | Trackback(0) | なんだこれ

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コメント

  1. ソリッドー!リキッドー!

    2008-02-19 火 06:41:00 | 名無しおいなりさん [ 編集]

  2. むしろ前半がすげー怖かったんだが

    2008-02-19 火 07:08:06 | 名無しおいなりさん [ 編集]

  3. ・・・ん?
    最後のはいったい・・・

    2008-02-19 火 07:15:23 | な名無しさん [ 編集]

  4. なんという余にも奇妙な物語

    2008-02-19 火 10:49:09 |   [ 編集]

  5. なんだ、予想とは違う流れだったがこれはこれで・・・

    2008-02-19 火 10:49:24 | VIPPERな名無しさん [ 編集]

  6. 妹「どうしたの?怪我したの?大丈夫なの?」

    このセリフ・・・ヤンデレCDで聞いたことが・・・

    2008-02-19 火 12:56:33 | VIPPERな名無しさん [ 編集]

  7. 遺伝子操作の人工妹がいる世界だから、
    捨てお兄ちゃんもいるんだな

    2008-02-21 木 05:45:01 | 名無しおいなりさん [ 編集]

  8. 姉飼みたいなホラーかとオモタ

    2008-02-22 金 00:17:21 | VIPPERな名無しさん [ 編集]

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